

日本国一同に日蓮が弟子檀那となり、我が弟子等の出家は主上上皇の師とならん。在家は左右の臣下に列らん。将又一閻浮提皆此の法門を仰がん。幸甚幸甚。
『諸人御返事』 弘安元年(1278)聖祖57歳作 全:p1138 定:2巻p1479
一国同帰(いっこくどうき)
各宗門の代表が公場にて問答宗論して是非を決するならば、必ず勝利するとの確信が、日蓮大聖人さまにはあらせられました。右の祖文は、「日蓮一生の間の祈請並に諸願、忽ちに成就せしむるか。(中略)所詮眞言、禅宗等の謗法の諸人等を召し合せ、是非を決せしめば」との文に続くもので、待ち望んだ公場対決が行われるのではないかとの報に接せられて、書かれたものです。
公場対決が行われれば、日蓮法華仏教が国教と定められ、一国同帰が実現するとお考えになられたのです。
勿論、大聖人さまは、王政復古を目的として、法華経を弘通されたわけではありません。仏使上行菩薩が出現する時であると確信され、ご自身がご本仏の遣わされた仏使として、全ての衆生をお救いになるために、不惜身命の弘通をされただけです。
しかしながら、日蓮仏教は事観に立つのであり、観念遊戯を許しません。政治、経済、産業、教育、軍事等々、一切の世法を包含する道なのです。故に、日蓮仏教を国教とするならば、鎌倉幕府は大政を奉還しなければならなくなります。だからこそ、幕府は、大聖人さまを迫害したのでした。
『三大秘法鈔』に「王臣一同に本門の三秘密の法を持ちて、有徳王、覚徳比丘の其の乃往を末法濁悪の未来に移さん時、勅宣並びに御教書を申し下して……」の文があります。大聖人さまが現実の政治を認識しておられた証左です。
大曼陀羅世界を日本に顕現し、本門の戒壇を以て世界国家を作って、人類の幸福を企ることこそ、大聖人さまのご誓願であられました。
日蓮仏教は、日本を基点として世界を指導する究極の宗教です。祖道を弘めんとする私たちは、このことをよくよく知らねばなりません。