首導月訓 平成29年の月訓

首導月訓(平成29年5月)

◆人生に行き詰まりを感じても、悲観してはならない。信仰心があれば、必ず行き詰まりを打開することができる。それは、祈りの力が神秘の扉を開くからである。祈りの力は、あらゆる物事を支配している。それがわかれば、世の中に心配ごとはない。それをわからせていただくための信仰である。

◆身体が健康で、物事が順調に進んでいる時には、自分の力を過信して、神仏に祈る気持ちを起こさないものである。病気になって、医療の効果がはかばかしくなかったり、八方ふさがりになると、「困った時の神頼み」という気持ちを起こすようになる。

◆「困った時の神頼み」は感心したものではないが、救いを求める心が縁となって、正しい信仰の道に入ることができれば、その人は幸いである。禍いを転じて福となすばかりでなく、永く人生の行路に迷わない大きな力が与えられるからである。しかし、迷って迷信の道に引っ張り込まれると、容易に泥沼から抜け出せなくなってしまう。

◆溺れる者は藁をもつかむ。日頃分別がある者でも、焦っている時は分別を失いがちである。そういう時に信仰を求めると、迷信のクモの巣に引っ掛かり、ご利益を得るどころか、生き血を吸われることもある。焦らなければ神仏にすがらず、焦ると正信と迷信の区別がつかなくなる。人間とは、そういうものである。

◆聖徒団の皆さんは、自分が正信の道に入ったことを喜ぶと共に、その喜びを世の中に伝えることを怠ってはならない。我々のなすべきことは、自分が救われることだけではない。同時に、世の中の人を救うのが務めであり、それが神仏との約束である。先ず、身近な人から導くべし。

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