今月の法話 平成30年の法話

今月の法話(平成30年2月)

(たと)(とが)ある(もの)三宝(さんぼう)(しん)ぜば大難(だいなん)(のが)れん()(しか)るに今示(いましめ)(たま)へる託宣(たくせん)(じょう)(かね)(これ)()る。(これ)(あん)ずるに(なん)(しりぞ)けて(ふく)(きた)先兆(せんちょう)ならんのみ。妙法蓮華経(みょうほうれんげきょう)(みょう)一字(いちじ)龍樹菩薩(りゅうじゅぼさつ)の『大論(だいろん)』に(しゃく)して(いわ)く「()(どく)(へん)じて(くすり)()す」と云云(うんぬん)。(中略)災来(わざわいきた)るとも(へん)じて(さいわい)とならん。

『道場神守護事』

建治2年12月。祖寿55歳。全:p850 定:2巻p1274

(どく)(へん)じて(くすり)()

信仰生活の核心は、神仏に護られているという絶対の安心(あんじん)にあります。仮に九識霊断法によって、どんな災難が起こって来るのかを知ることができたとしても、その災難からどのように護っていただけるか。それを決めるのは、お題目の信です。

上の聖文の中の三宝とは、仏・法・僧(信仰団体)を言います。仏は本門の本尊の大曼陀羅、法は本門の題目の南無妙法蓮華経、僧は同信同行の聖徒団であり、聖徒団は本門の戒壇に当たります。信仰と言っても闇雲に何でも信じれば可いというものではなく、この三大秘法を円満具足して(たも)つ信でなければ、本当のご加護を頂戴することは叶いません。

現代人は、眼に見えない神仏の存在を疑い、その守護を信じなくなっています。しかし、それは浅識と言うものです。この世の中で人間の知り得るものは、ほんの僅かな部分に過ぎないことを知らねばなりません。

どれだけ科学が発達しても、世界の不可思議の大半は、不可思議のままであり続けることでしょう。それは、物質によって形成されている世界の奥に、物を離れた神秘の世界があり、人智ではその世界に一歩も立ち入ることができないからです。

神秘世界の中を窺い知ることはできませんが、そこに神仏がおいでになり、私たち人間と「交渉」されておられることは、霊感と霊験によって知られて来ました。お題目の言霊を信じ、真摯に信仰している人は、理屈抜きに神仏のご加護をいただき、災いに遭っても、それを転じて幸いとする、「毒を変じて薬と為す」不可思議微妙(みみょう)が現れます。

これに過ぎる安心はありません。

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