聖徒団信仰Q&A

聖徒団信仰Q&A〈第50回〉 数珠

質問ちゃん
問 お数珠について教えてください。
お答え上人
  数珠(珠数)は読経の際などに欠かせない法具のひとつです。
 もともとはバラモン僧が用いていたもののようで、「アクシャ・マーラー」とか「ジャパ・マーラー」と呼ばれていました。「アクシャ」は「真っ直ぐ貫く」こと、「ジャパ」は「祈りの言葉を唱える」こと、「マーラー」は糸で繋いで連ねたものを指す言葉で、ネックレスなどもこの語で表します。元来は真言やマントラを唱える際に、回数を数えるための道具でした。これが仏教とともに中国を経て日本に伝わりました。
 正倉院の御物(ぎょぶつ)の中に、琥碧、水精(水晶)、菩提子などの数珠が残されていることから、奈良時代にはすでに使用されていたと考えられます。
 余談ですが、カトリック教会で聖母マリアへの祈り(アヴェ・マリア)を唱える際に用いるロザリオという数珠に似た祈りの用具がありますけれども、あれは、仏教が西洋に伝播する際、「ジャパ・マーラー」が「ジャパー・マーラー(バラの花輪)」と解釈され、それがラテン語の「ロザリウム」と訳されて、他の西洋諸語に取り入れられたのだとする説があります。
 一般的には数珠は、108の珠から成ります。これは煩悩の数に因むものとされています。
 日蓮宗で使用されている数珠は、輪の部分に主玉(おもだま)が108個、大きい親玉が2個、小さい四天玉が4個付いています。また親玉から5本、房が伸びていますが、その間に浄名玉が1個、弟子玉が20個、露玉が4個、数取玉が10個付いています。この数取玉が付いているのが日蓮宗独自の形とされます。日蓮宗では唱題を数十、数百と繰り返す為、このような数を数える独自の玉が付けられたと考えられます。
 聖徒団オリジナルの数珠は、普通の日蓮宗の数珠と比して房が長いのですが、これは、創祖が大聖人時代の数珠を独自に考究された成果を反映したものです

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