首導月訓 平成29年の月訓

首導月訓(平成29年7月)

◆眠いと時に眠る楽しみ。お腹の空いた時に食事をする楽しみ。咽頭のどの乾いた時に飲み物を飲む楽しみ。暑い時に涼しい風に当たる楽しみ。寒いときに暖かい陽の光に浴する楽しみ。こうした楽しみには貴賤貧富きせんひんぷの差はない。誰でも同じように受け取ることのできる自然の楽しみである。

◆このような自然の喜びを深く味わって、報恩感謝のお題目を唱えることのできる人は幸せである。よく働いてお腹を空かしてる食事は、山海の珍味を集めた大王の膳に勝ることはあっても劣ることはない。

◆この呼吸をわきまえて人生を送る人は、どんな境遇に置かれようとも、そこを浄土に変えて、毎日を楽しく暮らすことができる。呼吸を弁えるとは、自然に逆らわないことである。運命もまた自然である。自分に与えられた境遇に逆らわず、喜んで受け容れる人は幸せである。

◆他人は遊んでいるが自分は遊べない。不幸だと思う。他人は立派な家に住んでいるが自分には家がない。不幸だと思う。他人はキレイな衣服を着ているが自分の着物は粗末である。不幸だと思う。そうした目で人生を見ると、物事はすべからく上には上があるから、全てが不幸に思えてくる。

◆仕事に精をだすことができる。他人に親切を尽くすことができる。弱い者をいたわることができる。道理に従うことができる。そして何より、寿量ご本仏の大慈大悲を信ずる。この心を持つことができれば、人生に不幸はない。

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