今月の法話 令和3年の法話

今月の法話(令和3年8月)


(みょう)文字(もんじ)は、三十二相八十種好円備(さんじゅうにそうはちじゅっしゅごうえんび)せさせ(たま)釈迦如来(しゃかにょらい)にておはしますを、我等(われら)(まなこ)つたなくして文字(もじ)とはみまいらせ候也(そうろうなり)

 

『妙心尼御前御返事』弘安3年。聖祖59歳。1271頁

(みょう)文字(もんじ)


妙心尼は、日蓮大聖人の檀越で、駿河(静岡県)の某氏の妻だった女性です。

妙心尼本人は早くから法華経を信じていたのですが、夫は自身の長患いを縁として、法華経の信仰に入ったもののようです。妙心尼は、夫の病中にその平癒を祈願して、髪を剃り、尼となりました(夫の没後、その菩提を弔うために出家したとする説もあります)。そして夫の死後はますます深く大聖人に帰依し、供養を怠りませんでした。

日蓮大聖人さまから妙心尼に宛てられた三通の書状が伝えられており、右聖語はその最後のものの一節です。このお手紙は、妙心尼の夫の死後を慰めるために与えられたもので、弘安3年5月4日の日付が入っています。

「妙字御消息」とも呼称されている書状で、右の他にも「妙」の字について、大聖人が様々に記されています。

「法華経の題目をつね(常)はとなへさせ給へば、此の妙の文じ(字)御つかひ(使)に変ぜさせ給ひ、或は文殊師利菩薩、或は普賢菩薩、或は上行菩薩、或は不軽菩薩等とならせ給ふ。」

「妙の文字は花のこのみとなるがごとく、半月の満月となるがごとく、変じて仏とならせ給文字也。」

その上で、右の如く、妙の字は釈迦佛なのであり、妙の文字を文字と見るのは、私たちの眼がつたないからである、と説示されておられるのです。

「此の妙の字は佛にておはし候也。又此の妙の文字は月也、日也、星也、かがみ也、衣也、食也、花也、大地也、大海也。一切の功徳を合せて妙の文字とならせ給ふ。」

私たち聖徒は、妙法蓮華経の五字が、単に経のタイトルではなく、御本佛そのものであり、万物の本体であり、私たちの心そのものであることを知っています。

その五字の枢要(すうよう)・心核が妙の一字なのです。

妙とは、三十二相八十種好を具備された釈迦如来であり、月であり、日であり、星であり、かがみであり、衣であり、食であり、花であり、大地であり、大海であり、一切の功徳であるという大聖人のお言葉を、よくよく噛み締めていただきたいと思います。これは、月も、日も、星も、かがみも、衣も、食も、花も、大地も、大海も、全てが寿量ご本仏さまの生命の表れである、それこそが妙であり、思議を超越したものであり、言うに言われぬほど素晴らしいことである、ということです。

南無妙法蓮華経のお題目を常に唱え、この絶妙なる諸法の真如実相を見ることが出来るようになれば、人生の究竟目的である四徳波羅密を成就することになりましょう。

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