聖徒団信仰Q&A

聖徒団信仰Q&A〈第5回〉コロナ禍

質問ちゃん
問 疫病についてどのように考えたら良いでしょうか。(島根県 50代・女性)
お答え上人
答 疫病は人類誕生以前から生きとし生けるものを苦しめました。奈良の大仏の建立には天然痘の流行という社会情勢があったように、仏教の祈りの大きな部分が、疫病退散に向けられて来たとも言えるかもしれません。日蓮大聖人さまも、「天変地夭飢饉疫癘」から国家を護る正法を確立せんと『立正安国論』を上申されました。
 しかし、そこに立ち止まらないのが日蓮仏教です。
 『師子王御書』には「仏法を信じて今度生死をはなるゝ人の、すこし心のゆるなるをすゝめむがために、疫病を仏のあたへ給。はげます心なり、すゝむる心なり」とのお言葉があります。
 疫病は、ご本仏が私たちを励まそうとされて与えられたものだ、と日蓮大聖人さまは仰るのです。
 流行病、疾病は、社会、患者を苦しめるものですけれども、そうした苦しい情況への対応にこそ、国家や人間の在り方が問われるのです。
 また、『智慧亡国御書』には「大悪は大善の来るべき瑞相なり。一閻浮提うちみだすならば、閻浮提内広令流布はよも疑候はじ」ともあります。
 何と大聖人さまらしい仰りようでありましょうか。
 大悪が大善の瑞相となるというのは、何もせずにそうなるのではありません。正しい信仰の行動があってこそ大悪が大善を生むのであり、大悪を大善の瑞相にするために、正しい信仰の菩薩行が必要なのです。悪病であればあるほど、最良の薬でなければ治せないのであり、お題目の信仰こそが、真の大良薬となります。
 本紙本号をご高覧いただくのは、新型コロナウイルス感染症が小康している時期かと思いますが、聖徒団の「新型コロナ終熄祈願文」を日々に奉読いただき、新型感染症を、総和の大理想実現への瑞相とすべく、精進を続けて行きたいものです。

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