首導月訓 令和3年の月訓

首導月訓(令和3年11月)

◆宗教学上の宗教の分類にはいろいろのものがあるが、一神教と多神教という区分は、代表的なものの一つとされている。

◆唯一絶対の神が存在するとし、その神のみへの信仰を説くのが一神教である。キリスト教やイスラム教などがこれである。一方、日本神道や古代ギリシャのように、自然現象を人格化したり、人間生活の様々な局面を投影した独自の性格と形姿をもつ神々を想定したりして、複数の神々を崇拝するのが多神教である。

◆唯一絶対の神を想定する宗教には、往々にして、その神の使いである天使が想定されている。天使は、唯一絶対神に派遣されて神意を人間に伝え、信徒を守護する。

◆多神教においても、必ずしも全ての神が同格であるわけではない。主神がいて、従神がいるのが一般である。日本神道であれば天照大神という主神がおられる。

◆そうとなれば、一神教と多神教に、宗教の構想において、完全に相容れない根本的な相違があるわけではないことに気付く。要は、本尊となり主体となる神格如何という問題であり、これは実体の問題ではなく、名称の問題に過ぎないとも言える。

◆法華経如来寿量品に説かれる久遠実成の本仏、本門の寿量ご本仏が如何なるものであるかということについて正しい理解をすることができれば、様々な宗教の信仰の対象は、同じ宇宙の主体を、それぞれの立場から禮拝しているのであるということが分かる。

◆全ての宗教は、その信徒が迷妄から覚め、本体である神の悲願を相続して、理想世界をこの世に顕現するために、道義を護持する信仰生活を確立せんとしているということに相違はないのである。

◆私たち聖徒は、日蓮大聖人の三大秘法の正信を受持し、大曼陀羅列座の光明界に住し、仏願満足仏業成就の至誠を現して、法華経寿量品の本仏観を全世界の宗教に齎し、信教融合の根本原理たらしめるべきなのである。

日蓮宗聖徒団首導 髙佐日瑞

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