聖徒団信仰Q&A

聖徒団信仰Q&A〈第31回〉「合掌」

質問ちゃん
問 合掌にはどのような意味があるのでしょうか。(青森県 10代 女性)
お答え上人
答 仏像を見ると、仏さまや菩薩さまが、手指をさまざまな形にされておられます。あれを印相(いんぞう)と申します。手指の組み合わせ方によって、いろいろな宗教的理念を象徴的に表現しているのです。
 例えばお釈迦さまの仏像を見ると、左手は上を向き、右手は正面を向いているものがあります。この左手は与願印と言って「人々の願いを受け止める」という意味です。一方の右手は施無畏印。畏れないことを施す、つまり「人々に安心を与える」ことを示しています。
合掌は、この印相の一つで、合掌の型だけでも十二もあるといわれます。
 私たちが普通にしている、両手の指と手のひらをぴったり合わせて、中指の先を咽喉くらいの高さにして、親指の第一関節を軽く鳩尾(みぞおち)の辺りにつけた形は、十二のうちの「堅実心合掌」と呼ばれるものです。
両手のひらを合わせて拝むことは、インドの古くからの礼法の一つでした。
 インドでは、右手は神聖な手、左手は不浄な手として使い分けられていました。食事は右手だけを使い、汚いものを触る時は左手を使う、という具合です。
 合掌とは、この両手を合わせることですから、聖なるもの俗なるものとが合一する心を表します。
 「右ほとけ 左衆生と合わす手の 内ぞゆかしき 南無のひと声」という古歌がありますように、清浄なる右手を仏さま、不浄な左手を衆生に当てはめたのです。
 日蓮大聖人さまは『御義口伝』の中で、「合掌とは法華経の異名なり」と仰っておられます。合掌の意義は、娑婆世界を仏さまの世界へと変えることを目的とする法華経そのものということです。そこで、さまざまな印相の中でも、合掌に勝るものはないとして、他の印ではなく、ただ合掌印のみを行う至心合掌を勧められました。 

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