聖徒団信仰Q&A

聖徒団信仰Q&A〈第17回〉「十字聖日」

質問ちゃん
問 宗門聖日と十字聖日の違いを教えてください。(青森県 50代 女性)
お答え上人
答 お会式、立教開宗など、日蓮大聖人さまの記念日に報恩供養をしたりするのが、一般の宗門聖日です。
 聖徒団の十字聖日は、創祖行道院日煌聖人が提唱された修行法で、「聖者になる日」です。
 大乗佛教の修行と言えば、六波羅蜜が上げられます。「聖典」の「禮拝文」の中の「三規六則」の「六則」とは六波羅蜜のことです。
 六波羅蜜とは、布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧の六つの波羅蜜(=到彼岸=完成)です。この六つの徳目の完成した人こそ、聖者、仏であり、理想の社会人と申せましょう。
 しかし、この理想を体現するのは至難であり、どんなに立派な理想でも、実現出来ないのなら絵に描いた餅です。
 創祖行道院日煌聖人は、僧侶として社会教化のために道義を鼓吹すべきことと、自分に実行出来ないことを他人に奨励することの狭間で悩まれました。
 創祖の結論は、「練習」でした。真理は平凡なところにあります。私たち凡人が、いきなり六波羅蜜具現の聖者にはなれませんが、短い時間を切って、その間だけ聖者の真似をすることは難しくはありません。聖者体験をすることで、「道義の喜び」を味わえ、この味わいを知れば、人はまたそれを欲する。そのようにして修練を重ね、次第に真の道念が身に付く。
 かくの如く、聖者と凡人をクロスする行法の実践によって、創祖は大乗佛教成立以来の懸案に一つの解決が与えられました。聖者と凡人をクロスする修行なるが故に、十字(=クロス)聖日、の名称が与えられています。
先ずは、月に一日、この日と決めて、何か施しをする(布施)、腹を立てない(地獄心である瞋恚を離れる。禅定)を実践してみましょう。

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