聖徒団信仰Q&A

聖徒団信仰Q&A〈第27回〉「お名前の由来」

質問ちゃん
問 「日蓮」大聖人のお名前について教えてください。(宮城県 30代 男性)
お答え上人
答 日蓮大聖人さまは、幼名を「善日麿」(または薬王丸)と仰いました(12歳で清澄寺に入られたときに「薬王丸」と改められた、との説もあります)。その後18歳の時に出家されて「蓮長」に改名され、建長5年の立教開宗の際に「日蓮」と名乗られたと言われています。
「明かなる事、日月にすぎんや。浄き事、蓮華にまさるべきや。法華経は日月と蓮華となり。故に妙法蓮華経と名く。日蓮また日月と蓮華との如くなり」(『四条金吾女房御書』)
 太陽や月よりも物事を明らかにするものはない。また蓮華よりも清らかなものはない。法華経は、闇を照らす太陽や月であり、汚泥にけがれなく咲く蓮華のような経典である。だから妙法蓮華経という名前なのだ。わたしの日蓮という名も、末法の闇を照らす日月、濁世にあって清浄に花咲く蓮華のようであるために日蓮と名乗るのである。
この祖文は、法華経の如来神力品の「如日月光明、能除諸幽冥(日月の光明の、よく諸の幽冥を除くがごとく)」と、従地涌出品の「不染世間法、如蓮華在水(世間の法に染まざること、蓮華の水に在るがごとし)」とを踏まえておられるものと考えられます。
 大聖人さまの目に映った当時の日本は、人びとが悪法を盛んに信仰し、幕府が邪宗の高僧たちに祈祷をさせ、天変地異、飢饉、疫病が蔓延している状況であり、まさに世も末、末法濁世そのものでした。
 蓮長法師は、濁世にあってその穢れに染まらない蓮華のような地涌の菩薩として、「南無妙法蓮華経の五字の光明をさしいだして」(『寂日房御書』)日月のごとく末法の闇をてらし、衆生の苦を救わんとされました。
 そこで、日蓮と名乗られたのです。

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