首導月訓 令和2年の月訓

首導月訓(令和2年10月)

◆新型コロナウイルス感染症への対策として、あれやこれやがリモート、オンラインで行われるようになっている。テレワーク、オンライン授業、リモート飲み会…。

◆半年の延期を経て、いよいよ開催される日蓮宗聖徒団全国結集身延大会第55回記念大会は、聖徒の皆さんには参列をご遠慮願うこととしたが、「せめて」リモートで参加したい、との要望を受け、準備を進めている。平日早朝とはなるが、心の列席を求めたい。

◆日蓮大聖人の時代、人衆疾疫難に人びとは為すすべもなかった。ウイルスだの細菌だのという知識は望むべくもなく、それは鬼神の為せる流行り病であった。いつの間にか蔓延し、多くの人が発症し、或いは亡くなり、やがて収まって行くものであった。病魔退散の祈祷は、無明の願掛けでしかなかった。

「或は衆病悉除の願を持ちて東方如来の経を誦し、或は病即消滅不老不死の詞を仰ぎて法華真実の妙文を崇め、或は七難即滅七福即生の句を信じて百座百講の儀を調へ(中略)然りと雖も唯だ肝胆を摧くのみにして、弥よ飢疫に逼られ、乞客目に溢れ死人眼に満てり」(『立正安国論』)。

◆現代の我々は、往時では思いもつかぬ知識があり、技術がある。感染を防ぎながら、実を挙げる方策を工夫することができる。オンラインはその最たるものの一つであることは間違いない。

◆リモートで済む、オンラインが効率的であることは多い。しかし、それでは済まぬことがまた多いことも、やはり付け加えておきたい。今は言わずもがなであるかもしれないが。

◆人間は、肉体によって生命を運営している。生命とは六根である。眼・耳・鼻・舌・身・意を総動員して色・声・香・味・触・法の六境を感受し、いのちは営まれる。オンラインは、与えて言っても浅き二根と意根にとどまる。六根の生命活動の上にこそ、九識が真に光り輝く。心しておかねばならぬ。

日蓮宗聖徒団首導 髙佐日瑞

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