紙上法話

諸天善神の護り 倶生霊神の守り

諸天善神とは

本部幸龍寺に祀られている「清正公大神祇」

 「諸天善神」ということばをお聞きになったことがあると思います。皆さんがお参りされている聖徒団にも、ご本尊さまの他に、何か神さまがお祀りされているのではないでしょうか?

鬼子母神、十羅刹女、七面大明神、三十番神、大黒天、帝釈天、摩利支天、北辰妙見菩薩、最上稲荷尊……。そうそう毘沙門天や持国天も忘れるわけには参りません。観音菩薩。もちろん、本化地涌の四大菩薩。日天・月天。或いは、天照太神や八幡大菩薩を勧請しているところもありましょう。清正公大神祇など実在の人物が神格化されて祀られていることもありますね。

法華経や大聖人さまのご遺文には、「諸天」ということばが何度も出て参ります。
聖徒の皆さんに、最もお馴染みなのは、如来寿量品の「諸天撃天鼓」でしょうか。

このお話をするのには、衆生見劫尽 大火所焼時 我此土安穏 天人常充満 園林諸堂閣 種種宝荘厳 宝樹多花果 衆生所遊楽 諸天撃天鼓 常作衆伎楽 雨曼陀羅華 散仏及大衆 我浄土不毀 而衆見焼尽 憂怖諸苦悩 如是悉充満

辺りをまとめてご説明したいのですが、少し長過ぎますね。

要は、例え私たちの世界が終わりを迎えようとする時でも、寿量ご本仏さまの仏土は、永遠で、安穏で、諸天善神がたくさんおられ、そこで私たち衆生も遊楽する、ということです。

 

倶生霊神と諸天善神

 諸天善神は、守護神とも呼ばれます。

諸天善神は、釈尊に対して法華経を護ることを誓願しています。ですから、法華経を信じる人を守るのです。

法華経の行者を擁護し、法華経を謗る者を罰し、法華経を護持する国家を守護し、法華経を大切にしない社会を戒めます。

「法華経寿量品に云く『或説己身或説佗身』等云云。……十方の諸佛、過去の七佛三世の諸佛、上行菩薩等、文殊師利、……釈提桓因王、日天、月天、明星天、北斗七星、二十八宿、五星七星、八万四千の無量の諸星……天神地神、山神海神、宅神里神……何れか教主釈尊ならざる。天照太神、八幡大菩薩も其本地は教主釈尊也。」
『日眼女釈迦仏供養事』

全ての諸天善神の本地は、寿量ご本仏である、と仰っています。

さて、聖徒の皆さんが着帯されておられるのは倶生霊神符。こうした諸天善神と倶生神との関係はどうなっているのでしょう(倶生神こそは「諸天善神」中の天神なのですが、ここでは分けて考えましょう)。

誤解を恐れず、判りやすく言えば、ご本仏は総司令官、諸天善神は軍隊や警察。そして倶生神は専属ボディ・ガードです。

災難が起こったとします。
もしかすると、この災難は、ご本仏が「はげます心」「すすむる心」で「あたへ給」うた(『師子王御書』)ものかもしれません(ご本仏は私たちを守護してくださいますが、甘やかすことだけが守護することではありませんので)。その災難から、国家社会そして私たちを護ってくださるのが、諸天善神です。

諸天善神には、得意分野があります。その分野に応じて、諸天は、社会全体と衆生を守ります。倶生神は、ご存じの通り、私たち一人ひとりの専属の守護神です。諸天と協力し、このジャンルならこの神さまに援助して貰おう、なんてこともあるかもしれません。

聖徒の皆さんは、倶生霊神符を着帯するのはもちろんのこととして、それぞれの聖徒団でお祀りされている諸天善神を大切にしてください。それでこそ、寿量ご本仏の守りも強まるというものです。皆さんの聖徒団にどのような神さまが祀られているのか、この機会に団長上人にお尋ねになってみてください。

より深くお寺に対して愛着を持つことができるのではないでしょうか。

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