首導月訓 令和3年の月訓

首導月訓(令和3年3月)

◆東日本大震災十周年が間近となった先月13日、東北地方に大きな地震が起こった。福島県、宮城県の一部では震度6強であったという。被災した方々にお見舞い申し上げる。

◆東日本大震災の余震であるとのこと。東京では震度4ではあったが、数字を超えた揺れを感じ、10年前が思い出された。関東地方の各地でも、停電が発生したという。

◆日本は地震国である。地球の表面近くは、厚さ一〇〇粁ほどの岩盤(プレート)十数枚で被われており、このプレートが互いに動くことで大陸移動などが引き起こされるという(プレート・テクトニクス)。日本列島周辺には、北米、ユーラシア、太平洋、フィリピン海の4枚のプレートが、押し合い圧し合いをしているそうだ。東日本大震災は、北米プレートの下に太平洋プレートが潜り込むことから生じたらしい。

◆この理論を、大聖人がご存じであったならば、『立正安国論』をどのようにお書きになったであろうか。鎌倉に起こった正嘉の大地震を契機として著された『安国論』の記述は、幾許かは改められたに違いない。

◆そのように、当然のことながら、大聖人が説かれたことにも時代の制約はある。訂正し、改善して行くべきは、訂正し、改善して行かねばならない。

◆しかし、時代は変わっても「汝早く信仰の寸心を改めて、速に実乗の一善に帰せよ。然らば則ち三界は皆仏国なり、仏国其れ衰へんや。十方は悉く宝土なり、宝土何ぞ壊れんや。国に衰微なく土に破壊無くんば、身は是れ安全に、心は是れ禅定ならん。此の詞、此の言、信ずべく崇むべし」という『安国論』の結論は不変である。

◆倶生霊神符を着帯し、至心に唱題して、大曼陀羅御本尊に祈るがよい。さすれば、お題目の如来秘密神通之力を実感し、実乗の一善に帰した時に仏国・宝土となること、諸乗一仏となった時に吹く風が枝を鳴らさなくなることを、確信することができるようになるであろう。

日蓮宗聖徒団首導 髙佐日瑞

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