首導月訓 令和5年の月訓

年頭所感(令和5年1月)

聖徒団の興隆こそ立正安国への直道


日蓮宗霊断師会相伝宗主
日蓮宗聖徒団首導

髙佐日瑞

 明けましておめでとうございます

 令和5年の年賀のお祝詞を申し上げますとともに、全国の聖徒各位並びに霊断師各聖の本年のご多幸と各聖徒団のますますの隆昌を心よりお祈り申し上げます。

 さて、ほぼ丸3年間続いているコロナ禍も、ようやくウィズ・コロナの段階に入ろうとしているようですが、この騒乱が炙り出した我が国の問題点は、なかなかに根深いものを感じさせられます。

 新年早々、拙文を引用するのも気が引けますが、一昨年の年頭の御挨拶で「コロナ禍については、ワクチンも開発され、徐々に光明が見えはじめておりますが、それも我が国に回って参りますのは時日を要しますでしょうし、そもそも諸外国に比べて日本の被害状況は微少なのですから、病況の深刻な国にワクチンが先に渡ることを受忍すべきであろうと考えます。といったことも思い合わせますれば、私たちの日常生活が恢復して来るのは、もう少し時間が掛かることになりそうです」と申し上げました。与えて言えば半分は当たりましたけれども、奪って言えば大外れでした。

 WHO(世界保健機関)などが主導するCOVAX(コヴァックス。新型コロナワクチンを途上国に分配する国際的枠組)に参加して、一定の貢献はして来ているものの、被害の大きく、経済力の小さな諸国に優先的にワクチンを供与すべきといった議論を聞くことは、残念ながらほとんどなかったようです。

 停滞しているとは言え、まだまだ世界有数の経済大国でもある我が国の政府は、ワクチンを有り余るほど買い求め、皆ワクチン政策を施行し、多くの国民はこれを歓迎しました。約9億万回分のワクチンを2兆4000億円で契約し、これまでその約半分を接種したと伝えられます。一方、COVAXには、約2500億円(15億ドル)と、4400万回分の供与をしたそうです。

 私自身も接種いたしましたし、ワクチンの是非については言及いたしませんが、騒乱の中にあって、ワクチン強要の風潮も生み出されました。

 現在、PCR検査陽性判定者数も死亡者数も、緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置が発出されていた頃より遙かに多いのですが、それを求める声は聞かれなくなりました。「医療逼迫」「医療崩壊」の原因が解決されて、そうした事態が起きなくなったから、であるならば良いのですが、どうなのでしょうか。

 『師子王御書』に曰く「疫病を佛のあたへ給ふ。はげます心なり、すゝむる心なり」と。

新型コロナの実相について、マスコミがもう少し冷静に報道し、私たちがもっと如実知見し、そして祖文の如く前向きに受容することが出来たならば、この3年間は、全く様相が異なっていたでしょう。

 正しい教えが広まっていなければ、何事につけて社会は乱れてしまいます。篤実な信仰を持てば、如何なる事が起こっても、それを御本佛の励ましと受け止め、前進することができます。お題目の信心を磨き、善報多き年となることを御祈念申し上げ、新年の御挨拶といたします。

-首導月訓, 令和5年の月訓

error: Content is protected !!

Copyright© 日蓮宗霊断師会-公式サイト , 2024 All Rights Reserved.