紙上法話

供養を待つご先祖さまたち

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ご主人を亡くした奥様に、不可解なできごとが


 ある年の4月、京都の当山に、ある聖徒さんの兄が亡くなったと訃報が入りました。

故人は若い時から実家を離れ、造船業を生業とし、神戸で家族と生活してきました。そのため、仏壇とお墓は次男が守ってきたのです。

神戸にて、ねんごろにお葬式を行いました。ご主人を失った奥さまは、その後も遠方にもかかわらず、お寺の行事にも積極的に参加する熱心な聖徒さんになりました。

ある年の春彼岸のとき「聞いてほしいことがあります」と奥さまが家族を連れて相談に来ました。記憶もなく電車に乗ろうとしたり、自転車で海の方に行こうとしたりなど、不可解な行動が多く、娘さんも「認知症になっているのでは」と心配しているのです。

「今後も続いていくのだろうか?」と奥さまが不安になっているので、早速、九識霊断法を行いました。

すると「奥さまの方に何か原因がありそうですね」と伝えると、突然口を開きはじめ「実家の仏さまが気になっています」と話しました。

お兄さんが実家を守ってますが、高齢で供養が行うことができないため、その代わりに本人が観光地にある他宗の寺院で実家の供養をしたというのです。

さらに、昨年いとこが不幸な亡くなり方をして、密かに火葬をして納骨したらしいとのことでした。

「後日改めて供養しましょう」と言うと、「観光地の寺院で供養したから大丈夫なのでは」と聞かれましたが、「お題目による供養が必要なのです」とお話しました。

「このお守りを着帯してお仏壇の前でお題目を唱えて供養してください」と倶生霊神符を授けました。

毎週お寺で一緒にお題目を唱えて丁寧に供養を行うと「京都に来るたびに元気になっていくのが分かります」と、徐々に回復し、不可解な行動もなくなったと喜んでいました。

お題目の声を聞き、呼ばれて集まる先祖

 翌年また、ご相談においでになり霊断を行うと、旦那さんの弟もまた、不幸な亡くなり方をしており、そのことが不調の原因だったのです。

同じように毎週お題目によって、5週間の供養を勤めました。

その時、お茶を飲みながら話をしていると、「なぜ私ばかり供養が必要な方に頼られるのですか?」と尋ねられました。

日蓮大聖人さまは、
「我が己心中の仏性、南無妙法蓮華経とよびよばれて、顕れ給ふ処を仏とは云うなり。譬へば篭の中の鳥なけば、空とぶ鳥のよばれて集まるが如し。空とぶ鳥の集まれば篭の中の鳥も出でんとするが如し。口に妙法をよび奉れば、我身の仏性もよばれて必ず顕れ給ふ。」『法華初心成仏鈔』

「奥さまの実家はお題目とは違う宗派ですが、旦那さんが亡くなったことで奥さまのお題目の信仰が始まり、ありがたい南無妙法蓮華経を唱え奥さまが仏さまになり、お題目の供養が必要なご先祖さまが、奥さまに頼り仏さまに成りたがっているのですね」とお答えしたのです。

不幸にしてお亡くなりになった親戚の霊位は、南無妙法蓮華経の供養を大変ありがたく受け取ってくれたに違いありません。不可解な現象がなくなり元気になったことは、誠にありがたいご利益です。

「旦那さんだけではなく、旦那さま方の先祖、奥さまの実家の先祖、不幸にも亡くなった親戚のご供養を続けてください。信仰とはその時だけではなく長く続けていくのが大事なのですよ」とお話しました。

現在もしっかりとした信仰を持ち、元気に参拝し、お題目を唱えております。

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