紙上法話

タケノコおばあちゃんが残してくれたもの

毎年恒例の参拝 夏に体調不良…


昨年、聖徒のタケノコおばあちゃん(愛称)が、85歳でお亡くなりになりました。毎年タケノコの時期になると、「タケノコを掘ったから取りにおいで」とお寺に電話して下さり、たくさんのタケノコをいただいていました。

出会いは、10数年前、敷地の隣りに毘沙門天さまの小さなお社があり、その法楽を依頼されてからのお付き合いです。

それから、年一回の家のご祈祷と、当山にお参りをされ、ご祈祷を受けていました。晩年は運転免許証を返納したので、娘さんの運転で参拝に来られていました。

昨年の夏になって、体調がすぐれず、病院で検査したところ、末期の肝臓ガンが見つかったのです。本人の希望で延命処置は行わずに普段通りの生活を過ごしました。幸い痛みもなかったようですが、10月に入り容態が悪化し、入院して3日目に家族に見守られながら、天寿を全うされました。

日蓮大聖人さまのお言葉に
「夫(それ)人身をうくることはまれなるなり。すでにまれなる人身をうけたり、又あひがたきは仏法、是又あへり。同仏法の中にも法華経の題目にあひたてまつる。結句題目の行者となれり。(中略)弟子檀那とならん人人は宿縁ふかし」(『寂日房御書』)

このお手紙は、日蓮大聖人さまが58歳の時、身延から寂日房さんに与えられたお手紙です。

人として生まれ、まして仏法に巡り合い、その仏法の中でも、南無妙法蓮華経のお題目を受けて持つことができることは、過去世からの深い宿縁があります。お手紙の最後は「信心おこたらずして南無妙法蓮華経と唱え給うべし」と続き結ばれています。

 

妙法蓮華経は寿量ご本仏さま

 現在、日本人の平均寿命が男女ともに80歳を超えました。

命の営みが長く、なかなか命の循環が目に見えにくいのが現実かもしれません。また一家に3世代、4世代と暮らす家庭がきわめて少なくなりました。本来ですと生活しているうちに、肌身に感じ自然と身についていくのでしょうが、現代社会では稀でしょう。

教主釈尊は、私たち迷える一切衆生を苦しみから救うためにこの妙法蓮華経(法華経)という教えをお示しになりました。この妙法蓮華経は、教主釈尊のお言葉であり、寿量ご本仏さまそのままであります。

日蓮大聖人さまは「一代の肝心は法華経、法華経の修行の肝心は不軽品にて候なり。不軽菩薩の人を敬ひしはいかなる事ぞ。教主釈尊の出世の本懐は人の振舞にて候けるぞ」(『崇俊天皇御書』)と、教えられています。

そう考えると、私たちの行動がご先祖さまの振舞であることであるといえます。私たちが仏になれば、総じて父母そして、ご先祖さまも仏となるのです。

教主釈尊の出世の本懐、一大事因縁とは、本来の生き方を一生懸命すること。つまり、人して仏さまを生きる、仏さまの働きをする、菩薩として生きることが大切なのです。

「蔵の財(たから)よりも身の財すぐれたり、身の財より心の財第一なり(略)此御文を御覧あらんよりは心の財をつませ給うべし」と、大聖人さまも励まされております。

タケノコおばあちゃんのおかげでお題目の縁を結ぶことができた娘さん、息子さん、そして故人の妹さんも、故人生前同様に参拝してます。素晴らしい仏としての振る舞いを残してくださいました。

どうぞ聖徒の皆さまもお子さまやお孫さんとの交流を大切にして、お題目を心から唱えてください。そして倶生霊神符を着帯し、お題目の生活と信仰を繋いでまいりましょう。

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