紙上法話

コロナ禍の見えない出口と法華経の信心

世界を脅かす新型感染症の恐怖

 ご存知の通り、令和元年12月末から中国の湖北省武漢市で発生した原因不明の肺炎は、新型のコロナウイルスが原因であることが判明。

 令和2年1月から2月にかけて中国の第一波の流行を経て、ヨーロッパ・米国・南米を中心とした第二波が起こり、瞬く間に世界中で流行するという事態に陥りました。

 日本国内では、令和2年1月15日最初の症例が報告されて以降、1年が過ぎ今日に至っています。

 国際的に公衆衛生上の新たな感染症を「新興感染症」と呼ぶそうです。1967年に西ドイツ(当時)とユーゴスラビア(同)で発生した「マールブルグ病」を初めに、エボラ出血熱、SARSなど、人類はさまざまな新興感染症に直面してきました。

 今までは日本人が巻き込まれることがあまりありませんでしたので、どこか「他人事」のように感じていた人が多かったのではないでしょうか。

 今回のような世界中同時に体験する災難になるとは、誰も想像しなかったと思います。

 ところで、災いというと「禍(わざわい)を転じて福と為す」ということわざが思い浮かびます。これは中国の古典『史記』列伝にあります蘇秦の言葉「臣聞く、古の善く事を制する者は禍を転じて福と為し、敗に因りて功を為す」が元になっているそうです。

 日蓮大聖人さまが、33歳の厄を迎えた信徒の妻にお与えになった書に、

 三十三のやく(厄)は転じて三十三のさいはひ(幸)とならせ給ふべし。「七難即滅(しちなんそくめつ) 七福即生(しちふくそくしょう)」とはこれなり。年わか(若)うなり、福はかさなり候べし。
『四条金吾殿女房御返事』

 と記されています。

 

冬は必ず春となり災いは転じて福となる

 聖徒さんから、〝交通事故に遭遇したが軽傷で済んだ〟〝解体工事現場で作業中に頭上から鉄球が落ち、もう駄目かと思ったが九死に一生を得た〟〝長年複数の病に苦しんでいるが、一つの病が回復して随分楽になった〟という体験をされたお話をよく伺います。

 口々に「倶生霊神さまのお陰です」と手を合わせて感謝の報告なさってくださいます。まさに「災いが福」となったのです。

 法華経を信ずる人は冬のごとし。冬は必ず春となる。
『妙一尼御前御消息』

 日蓮大聖人さまが妙一尼というお母さんをはげまされた文章です。妙一尼は夫を亡くし、一人で子どもたちを必死に育てつつ、法華経とお題目にすがって生活していました。

 そんな状況の妙一尼に「厳しい冬も、やがて暖かな春となるように、法華経を信じるあなたは、必ず困難や災難を乗り越えることができますよ」と、大聖人さまは励まされました。

 人の歩む道には、暖かな春のように幸せなときもあれば、冷たい冬のように、つらく苦しく悲しい事もあります。

 ですが、どんなに苦しい冬のような毎日が続いても、後ろ向きになったりせず、負けずに前を向いて進めば必ず春はやってくるのです。

 様々な場面で救われた聖徒の皆さんも、お題目を唱え、倶生霊神符を必ず着帯する生活を欠かさない「法華経を信ずる」人でした。成すべき努力をしたおかげで災いを転じてこられました。

 コロナ禍の出口はいまだ見えませんが、苦しい日々の中でも「災いは福となる」こと、「冬は必ず春となる」ことを忘れず、毎日のお題目修行に励んでください。ご本仏さまの大慈大悲、倶生霊神符のご加護をいただいて、この苦境を皆で乗りこえましょう。

-紙上法話

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