紙上法話

お寺は安心(あんじん)の場

霊断師となった直後に檀信徒から相談を受けて


令和4年5月17日・18日、「日蓮宗聖徒団第57回全国結集身延大会」に参加させて頂きました。大本堂内での法要もさることながら、幟旗が境内に立ち並ぶ様子は身延大会に参加される聖徒一人ひとりの尊い姿にも見え、大変感動を覚えました。

 私の自坊は、これまで母(寺庭婦人)が霊断師の資格を有しているだけで、積極的に霊断を行ってきた寺院ではありませんでした。しかし、自身も霊断を見ていただいた経験があり、どこか霊断師というものに興味がありました。令和元年、私はふと霊断師になろうと思い立ち、六月に開催された九識霊断法相伝講習会を受講しました。懸命に教えていただいた講師先生や快くご支援いただいた主事先生、気兼ねなく相談しあえる講習会同期生にも恵まれ、私の霊断師としての一歩を踏み出すことができました。ただ、講習を受けても、すぐには霊断することはないだろう、いずれ求められる機会があったら活用したい、その程度の想いでした。

直後の七月に行われた自坊の盂蘭盆会施餓鬼法要の終わりに、霊断師となった旨、檀信徒さんにご報告をしました。法要が終わると、一人の世話人さんが走って追いかけてきました。「お上人、実は私、病気になってしまった。その霊断で見ていただけないだろうか?心配なんだ。一週間後に手術が予定されている」。私はあまりの展開の早さに啞然としながら、取り急ぎ翌日のアポイントを決めました。

翌日、じっくりとこれまでの経過を伺い、霊断師となって初めての霊断を行いました。初めての霊断に悪戦苦闘しながらも、原因、問題点を洗い出しました。どうやら霊障が疑われたのです。ご本人はすぐに親族に連絡を取り、調べを進めていくと、大昔に大叔母がいじめによって家を追われ、遠方で不審死していたことが判明しました。ご本人も聞いたことがなかった話で大変に驚いておられました。三日後に丁重なる施餓鬼供養、当病平癒祈願を執り行い、予定通り病院に向かわれました。なんとか無事に手術が成功してほしい、そんな一心で日々待ち続けておりました。

手術日から二日後、電話が入り、「お上人、おかげさまで無事手術成功しました。先生からは術後の経過が素晴らしいとのこと。退院したら、またお寺にお伺いします」とご報告がありました。私は心から安堵しました。

その後、予定より一週間も早く退院され、病院から直接お寺に来山されました。ご本人からは「あの時相談して本当に良かった。本当にありがたい。自分には思いもよらなかった話が九識霊断法のおかげで分かった。こんなに素晴らしい九識霊断法を皆さんにも弘めなきゃいけない」と、ありがたいお言葉をいただきました。

お題目との結縁により安心なる日々へ

 私は常々、寺院の役割は安心を提供する場であると思っています。そしてその安心は、人生の重大局面にこそ最も実感するものであると思います。改めて振り返ると、今回もし九識霊断法がなければ、ご本人からご病気の件を相談されることは無かったかもしれません。倶生霊神さまにご縁を紡いでいただき、寿量ご本仏さまが大きな救いを与えてくださいました。今では少しずつその輪が広がり、毎月の盛運祈願会、施餓鬼会を当山でも執り行うようになりました。不安や困りごとを抱えている人がいれば、聖徒さん同士で「一生懸命お祈りすれば守ってくださるから一緒にがんばろう」と声を掛け合っている姿を見ると、心から嬉しい気持ちになります。

観念の世界にとどまらず、現実の世界にこそ救いがあるという日蓮大聖人さまの教え。九識霊断法は現世の人々に安心を与え、お題目と深く結縁し、浄仏国土顕現に向けた歩みを確実に進めていける大きな武器であります。霊断師、聖徒さんが一体となって皆が総和となり、題目布教に邁進し、この娑婆世界を理想の浄土と成せるよう、日々精進して参りましょう。

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