聖徒団信仰Q&A

聖徒団信仰Q&A<第16回>「摂受(しょうじゅ)・折伏(しゃくぶく)」

質問ちゃん
問 日蓮大聖人さまは、折伏で教えを弘められたのではないのでしょうか。(東京都 70代 男性)
お答え上人
答 先月号の「首導月訓」に「後五百歳は過ぎ、既に折伏の時代ではないのである」というご指導があったことについてのご質問ですね。
日蓮大聖人さまは、建長五年四月二十八日の立教開宗の説法から、一貫して折伏の弘通をなされました。
 日蓮宗学界では、二十年ほど前から、一時期、或る研究者が、大聖人は摂受であった、という議論を主張し、平成の摂折論争が展開されましたが、その学論は、残念ながら、折伏は現代に合わないので、日蓮大聖人ご自身がそうでなかったことにしてしまおうとするような動機が伺えました。
 折伏は摂受と共に大乗仏教の説く教化の手段です。読んで字の如く力を以て相手を圧倒するのが折伏であり、また力を用いないで相手の線に添うて説得するのが摂受です。
 日蓮大聖人は、弘通の手段を種々の角度から研究された結果、折伏という方法を用いられたのであり、一概に折伏を是とされたわけではありません。『開目鈔』などに、摂折二門の使い分けについての教示を遺しておられます。
 末法の始めの五百年間については、「日本国の当世は如来の滅後二千二百一十余年、後五百歳に当って妙法蓮華経広宣流布の時刻なり」(『教機時国鈔』)、「其中間に法華経の流布の時二度あるべし。所謂在世の八年滅後には末法の始の五百年なり」(『撰時鈔』)などとして、折伏の弘通方軌をもって、時機相応とされたのでした。
折伏を永遠の弘通方軌とされたのでないことは祖文をよく読めば分かったはずなのですが、門下はそれを誤解して来てしまったのです。
 よって、聖徒団では折伏は用いません。

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