首導月訓 令和3年の月訓

首導月訓(令和3年9月)

◆人生は不安でいっぱいである。仮に安心立命の境地に到ってもいないのに、不安を感じないで生活している人がいるとすれば、むしろその精神の有り様が疑われなけらばならない。

◆仏教では不安のことを「苦」と表現する。根本的な苦である生・老・病・死を四苦と言い、それに付帯する苦である愛別離苦、求不得苦、怨憎会苦、五蘊盛苦を併せて八苦と言う。さんざん苦労することを「四苦八苦」と言う俗語が、ここから来ていることは、ご存じの向きも多いであろう。

◆お釈迦さまの宗教哲学は、この四苦・八苦を出発点としている。世の中の多くの人は、ひたすら幸福を追求しながら、実際には苦の海の中に浮きつ沈みつ悶えながら人生を過ごしており、苦の拠って起こる本源を一向に解決しようとしていないものである。

◆この矛盾から生まれるものは、苦から逃れよう、苦を取り除こうとして、かえって苦しみを増してしまう結果を招いていることである。例せば、一時逃れをするために偽りを用い、その偽りを糊塗する為に、嘘の上塗りを重ねた挙げ句に、破綻に及ぶ、といったことなどである。

◆こうした愚かな振る舞いは、誰にでも起こりがちなことであるが、国家レベルの政治経済の面などでも、よくあることであると言えよう。

◆どのようにしたら、人生の根本的な不安を取り除き、安らかな気持ちになって人生を送ることが出来るか。この大問題を解決せんとする勇気と決心とが、私たちを幸福に導く唯一の方法であることを知らねばならない。

日蓮宗聖徒団首導 髙佐日瑞

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