聖徒団信仰Q&A

聖徒団信仰Q&A〈第26回〉「三規六則の信行③」

質問ちゃん
問 三規六則について教えてください。(東京都 60代 男性)
お答え上人
答 一大秘法の妙法蓮華経への信を行として実践するのが「三規六則の信行」です。「三規」は、前二回に申し上げた通り、聖徒団独自の教えですが、六則は、皆さんご存じの六波羅蜜(六度)のことで、一往、大乗佛教共通の教えとなっています。
 すなわち「布施=施しをすること」「持戒=戒めを守ること」「忍辱=忍耐すること」「精進=仕事に精を出すこと」「禅定=心を落ちつけること」「智慧=物事をわきまえること」です。
 「波羅蜜」とはサンスクリット語の「パラミータ」を音写した言葉で「度=渡る」あるいは「彼岸(浄土)に至る」という意味です。ですから「六則」とは「彼岸=浄土に至るための六つの仏道修行」ということになります。
 法華経の開経とされる無量義経の十功徳品第三は次のようにあります。
「いまだ六波羅蜜を修行することを得ずといえども、六波羅蜜は自然に在前す」。
 この経文について、日蓮大聖人さまは
「六度の功徳を妙の一字に、をさめ(収め)給ひて、末代悪世の我等衆生に、一善も修せざれども六度万行を満足する功徳をあたへ給ふ」
とお示しになっています。
 六波羅蜜の功徳は、一大秘法の妙法蓮華経の妙の一字に収まっている、というご教示ですが、言い換えれば、南無妙法蓮華経の信行を展開すると、六則の実践になるということになりましょう。
 また、自利行を重視する原始仏教に対し、自利行と利他行の両立を目指す大乗佛教の実践行であることを鑑みるとき、六波羅蜜の主眼は、布施行にこそあることを喝破されたのが創祖行道院日煌聖人であられました。
 実践信行とは、畢竟ずるに、この世の中を理想世界に近づけることであり、六則の中でも、布施を行ずる人となることが、人間の本望なのです。

-聖徒団信仰Q&A

error: Content is protected !!

Copyright© 日蓮宗霊断師会-公式サイト , 2024 All Rights Reserved.